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2009.12.15 日記 / 湘南
茶陶のいろは
神戸にいる伯母から電話が掛かってきた。
「茶碗と銘々皿を作ってもらえないかしら?
茶碗はひすいとくるみ用に2つ。」

伯母はお茶の先生をしている。
茶碗は孫へのプレゼントらしい。
これからお茶を始めるという時に
先生である祖母から茶碗が贈られるなんて・・・
想像しただけでこちらまで温かい気持ちになる。
そんな茶碗を作らせていただく。
とても嬉しいお仕事です。

「それで、いつまでに作ればいいですか?」
「初釜で使いたいの。」
はっ、初釜っ!?間に合わない!・・・かもしれない?
「とにかくやってみます。またご連絡します。」

・・・・・

茶陶。
陶芸をやっている限り、目の前にそびえ立つ大きな山。
今まではその存在を意識しながらも
踏み込むことができなかった。
きっと今がそのタイミングなんだろう。

まずは、学校でのお茶の授業を思い出してみる。
しかし頭に浮かぶのは
足がしびれて動けなくなった友達の姿や(笑)、
「お菓子をどうぞ」の前にお菓子食べてしまった自分(笑)、など
我ながら笑ってしまうような大失態ばかり。
(ユウコ先生、すみません・・・)
当時の楽しすぎた時間は昨日の事のように思い出せるが、
あまり参考にならず×。

師匠に茶陶のいろはを勉強させていただく。
師「土はこんな感じだから、硅砂を取りに来なさい。
季節的には筒茶碗だけど通年通して使うなら
そこまでこだわらなくていいかな。
50個くらい作ればうちの楽窯で焼いてあげるけど?」
・・・先生、どうしていつもそんなに優しいのですか(涙)

お茶を習っている妹にもアドバイスをもらう。
妹「初心者なら、お茶を点てやすい形がいいかもね。
あとは汚れが付きにくく目立ちにくいものがいいかな。
サイズはこんなもん?」
・・・我が妹ながら心強いです。

結局、周りの優しい人たちのご好意に支えられ
茶陶の一歩を踏み出すことに。

白、黒、こげ茶、紅色・・・
まずは基本的に地味でシンプルなものを作ろう。
茶碗はいくつか作って、その中から選んでもらおう。
初釜ということでお菓子は「花弁餅(はなびらもち)」だろうから
銘々皿は、あの優しい色とふんわりした質感が映えるよう
黒でシンプルなものにしよう。

ふと自分の水色のデザインが頭に浮かぶ。
私「先生、やっぱり私の水色はお茶に合わないですよね?」
思い切って聞いてみる。
師「やっぱね、渋いのが求められてるからね。」
私「・・・ですよね。」撃沈。(^^;)

しかし作り進めるにつれて
どうしても水色の茶碗が作りたくなる。
「よし、作ろう。作ってしまおう。」

陶芸教室の生徒だったとき。
課題が決まっているにも関わらず
密かにアレンジして(違うものとも言う)作っていた自分。
先生は何も言わずに見守っていてくれていた。
変わらない先生の優しさと、
変わらない自分の頑固さを再確認。

なんとか間に合い写真を送る。
そして選ばれたのは、
後ろにぼんやり写っている白い茶碗の方。
案の定、水色は選外(笑)。

・・・・・

そばちょこでコーヒーを出したり、
茶碗にカフェオレを入れたり。
昔からある日本独特の器に
洋のものを入れて出してくれるお店がある。

あえて和食器を使うことで
その時間や空間が
普段とはちょっと違ったものに感じられたりする。
長く愛されてきたという安心感からなのか、
器そのものが持っている包容力なのか。
そういう時、日本のものの懐の深さをしみじみと感じる。

この水色茶碗は、カフェオレの方が似合うのかもしれない。
今度お客様がいらした時にお出ししてみよう。

陶芸家:なみじ:wrote at 11:38 | 湘南 | 日記 | コメント(1) | トラックバック(0)
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#1 Kaden [URL] 2011.06.20 07:16
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